※注意※
おね●●●描写無し
ヒロインの過去編です

【内訳】
表紙:1p
キャラ紹介:1p
扉絵:3p
本編:70p

【ストーリー】
「平凡」を絵に描いた様に、可も無く不可も無く、平坦で刺激は無く、大きな挫折も無く、成功も無い。そんな人生を17年送って来た。
その中で唯一と言っていい大きな出来事。

母の浮気、そして父との離婚。

昔から母の興味が私に向かう事は少なかった様に思う。
ならば虐●や育児放棄をされていたのかと、それも違う。

食事も作っていたし、父兄参加の学校行事にも顔を出していた。
だがその中で、母が私に笑顔を向けた記憶が無い。逆に怒られた記憶も無い。
テストでいい点を取っても、家の物を落として割ってしまっても、母は大きな反応をする事は無かった。

私が●●に入学した後に、両親は離婚した。
原因は母の浮気だが、これに関して一つ、私は父に隠している事があった。

母が浮気している事を、私は知っていた。

ある日偶然、見てしまったのだ。母が、見知らぬ男性と腕を組んで歩いている姿を。

少なからずショックを受ける自分に驚いたが、それは母が浮気していたからでは無い。
その男性に向ける、母の初めて見る「笑顔」。

その瞬間何となく理解してしまった。

母にとって子育ては義務だったのだと。

産まれた●●は育てなくてはいけない。
ただ別に産みたかった訳ではない。

快楽の失敗か、周囲からの圧力か、もしくは父の願いだったのか。
果たして私は、望まれて生を授かったのか?

ただこれだけは理解出来た。

母は私に興味が無かったのでは無く、疎ましかったのだ。
父では無い男性に向けられる、「女」としての母の表情がは、あまりにも雄弁だった

離婚して間も無く、父は仕事を休みがちになり、遂には休職してしまった。
嗜む程度だったお酒の量も増え、毎日部屋でうなだれている。

無口だが真面目で優しかった父をここまで堕落させる程、父は母を愛していたのか。

愛…好き…概念では知っているが、実感として理解出来ない言葉。

平凡を絵に描いた様に、可も無く不可も無く、平坦で刺激は無く、大きな挫折も無く、成功も無く、好きも嫌いも無ければ、愛とも縁遠く…その内に年老いて独り土に還る。

それが、三澤明音の人生なのだろう。


だから、私に関わらないで欲しい…他人との会話は息が詰まる。クラスメイトというだけで、関わった事すらないのに。

彼女達は言葉を続けた。

「三澤さんさぁ、合コンとか興味ない?」
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